マイナス金利

一般には資金の貸借取引においてはマイナス金利は成立しない。
マイナス金利のもとでは市場における資金供給が消滅するためであって、名目金利の下限は通常ではゼロである。
しかし、2003年以降、こうした原則に反するマイナス金利が、無担保コール市場などで観察されている。

その背景にあるのは、為替スワップ市場における円転コストのマイナス化である。

為替スワップ市場では主に邦銀が短期ドル資金を調達して、多くの場合、外国銀行がその相手方となる。外国銀行はドル資金を一定期間貸出して、担保として円を手にするが、ここでの円の調達金利が外国銀行にとっての円転コストであり、それがたびたびマイナスになったのである。

この現象は、邦銀・外国銀行間の信用格差にもとづく一種のジャパンプレミアム(円という担保を差し出しても、まだ邦銀がドル調達に際してプレミアムを要求されること)と考えられるが、その大きさは円・ドルの短期資金をめぐる需給を反映して決まっている。

無担保コール市場でのマイナス金利は、スワップ取引から派生する。

スワップ市場で円資金を調達した外国銀行は、マイナス金利で市場に供給しても、その運用利回りが調達金利を上回っていれば利鞘を獲得することができた。とはいうものの、外国銀行がこれをゼロ金利の日銀当座預金として保有すれば、より大きな利鞘を得ることができたはずなのである。しかし、マイナス金利での運用が選択されたということは、外国銀行の場合、民間銀行のみならず、公的部門に対してもクレジットラインを設けていて、一定金額以上の日銀当座預金の保有を敬遠したためだと言われている。